もの忘れ
もの忘れ
体力と同じように認知機能も年齢と共に低下します。
しかしそれが年齢相応のものなのか、治療が必要な“認知症”なのか、個人の判断ではなかなか難しいものです。
当院では、認知症サポート医である院長による診察の元、言語聴覚士、認知症ケア専門士による下記のようなトータルサポートを行っています。
以下の様な症状があれば、お気軽にご相談ください。
SCIはいわゆる加齢によるもの忘れを言います。一方MCIは、加齢によるもの忘れと認知症の間の状態をさします。MCIから認知症への移行は、年間約10%と言われていますが、MCIから正常に戻る率も14〜44%と報告されています(2020年)。認知症とは、一度正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を指します。例えば、加齢によるもの忘れが「食事をしたことは覚えているが、何を食べたのかを思い出せない」というものに対して、認知症によるもの忘れは「食べたこと自体を思い出せない」という場合が多く、何度も食事をしてしまったり、何度も薬を飲んでしまったり、健康や生活に支障をきたすレベルでもの忘れが生じている状態のことをいいます。
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※事前予約制です
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MR・採血・認知機能検査の結果をもとに総合診断・治療方針の決定、今後のケアも含めて“寄り添う治療”をご提案します。
認知症を引き起こす疾患の種類は100を超えるといわれていますがその中でも原因疾患の90%を占める4つの疾患をご紹介いたします。
アルツハイマー病は、1907年にドイツのアロイス・アルツハイマー博士によって報告され、その名が付きました。現在、認知症の原因疾患の約6割程度と最も多くを占め、直近のことを忘れてしまう、新しい事柄を覚えられない等の、近時記憶(きんじきおく)の障害が最も目立ちます。この疾患は、脳の神経変性疾患と言われ、アルツハイマー型認知症の発症には、「アミロイドΒ」や「タウ蛋白」いう特殊なタンパク質が脳内に蓄積することが関与しているといわれています。男性より女性に多いと言われています。
脳血管性認知症とは、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳血管疾患によるによって脳内の神経組織が突然破壊されたり、小さな脳梗塞が徐々に増えることで、血流が悪い場所(脳虚血)が増え脳機能の低下により生活に支障を来たす状態をさします。記憶力はアルツハイマーに比べると保たれていることが多いですが、事柄によってむらがあり「まだら」な状態が特徴的です。その他の症状として、感情のコントロールが難しくなったり、脳血管性パーキンソニズムという、パーキンソン病の様な症状により歩行障害をきたすこともあります。
パーキンソン病の原因でもある「レビー小体」というタンパク質のかたまりが脳全体、特に大脳皮質に現れることで発症します。(脳幹にのみ、レビー小体が現れる場合にパーキンソン病と診断されます。)レビー小体が神経細胞に侵食し、正常に働かなくなることで認知機能が低下し、はっきりとした幻視(人や動物など)が見える等の症状が見られます。レビー小体型認知症は、注意障害等の認知症症状に加えて、幻視、レム睡眠行動異常症(寝ている時に体が動く)、パーキンソニズムなどが現れることがあります。レビー小体の蓄積する程度や場所に応じて、さまざまな臨床症状が引き起こされ、症状に日差や時間差があることも特徴のひとつです。
人格の変化や自発性の低下、行動障害などの症状が現れる病気です。感情コントロールや理性的な思考などに支障をきたし、記憶障害よりも人格変化が目立ちます。脳の神経変性で、タウ蛋白やTDP-43という特殊なタンパク質の蓄積で、前頭葉と側頭葉が萎縮することにより発症するといわれています。前頭側頭型認知症の中にもいくつかのタイプに分かれますが、比較的若年例の発症が多いといわれています。
硬膜下血腫、水頭症、脳腫瘍といった脳の病気や、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症などの身体的な病気、うつ病、せん妄、てんかんといった精神神経系の病気が知られています。これらの認知機能の原因となる病気の治療を行うことで、一過性に低下していた機能が改善すると言われています。
逆に認知症を診断するにあったっては、これらの病気が隠れていないことを必ず否定する必要があります。
認知症はご自分で気づきにくいものです。
周りのご家族が心配されていても、ご本人が受診に消極的である場合も多くあります。
「物忘れ外来にどうやって誘えばよい?」「そもそも受診した方がいい?」等と、お悩みの方は是非一度ご相談ください。
■ご家族相談 3300円/40分(自費診療)