『認知症のリスクを40%減らす方法』
- 2023年6月1日
- 認知症
認知症予防にどのサプリが効きますか?
脳トレドリルは記憶力に効きますか?
遺伝子診断で認知症のリスクがあると言われ不安です・・・
皆さんから、日々たくさん質問を頂きます。
超高齢社会の日本では、近年認知症予防のための様々な情報が溢れています。
しかし残念ながら、今現在万人に有効な予防法やサプリメントはありません。
しかし、認知症のリスク要因については、研究により徐々に明らかになってきています。
こちらは、世界をリードするランセット認知症予防・介入・ケア委員会が、2020年に報告した認知症のリスク因子です。
現在認知症のリスク要因で明らかになっているものが4割。不明なものが6割。
その明らかになっている4割を、人生のステージ「若年期」、「中年期」、「高齢期」ごとに分けて、示しているのがこちら↓
緑 若年期のリスク「教育不足」
青 中年期のリスク「聴覚障害」「外傷性脳挫傷」「高血圧」「過度のアルコール摂取」「肥満」
紫 高齢期のリスク「喫煙」「うつ病」「社会的接触の少なさ」「大気汚染」「運動不足」「糖尿病」
そしてこれらを元に、12の危険要因を意識した認知症予防が提唱されています。
①40歳から収縮期血圧を130mmHg以下に維持することを目指す
②難聴の方の補聴器の使用を奨励するとともに、耳を騒音から守ることで難聴を減らす
③大気汚染や間接喫煙への曝露を減らす
④頭部の損傷を防止する(特にリスクの高い職業を対象に)
⑤アルコール摂取量を週21ユニット以下に抑える
(1ユニットのアルコールは、純アルコール量10 mlまたは8 gに相当)
⑥自分自身の禁煙とともに、他の人の禁煙もサポートする
⑦すべての子供に初等中等教育を提供
⑧中年期は活動的に、高齢期もできる限り
⑨肥満とそれに関連する糖尿病を減らす
Lancet. 2020 Aug 8;396(10248):413-446
いかがでしょうか?
これらを見ると、認知症予防は、高齢者だけの問題で無く、特に中年期においても防げるリスクが多くあることが分かりますね。
また認知症予防は、何も特別な事ではなく、いわゆる生活習慣病予防となるような日々の過ごし方がいかに重要か気づかされます。
高額なサプリメントや遺伝子診断をされる前に、まずはこれらのリスク因子の中でご自分にあてはまるものが無いか、確かめてみてください。
きっと、出来る事が1つは見つかるかと思います!!