【脳の病院で首のエコーをするのはなぜ?】
- 2023年6月7日
- 頸動脈エコー
脳の病院で首のエコーをするのはなぜ?
脳神経外科・内科を受診する方の多くは、頭痛や物忘れなど頭に関連する症状がある方です。様々な脳に関連する検査を進める中で、医師から首のエコーをしましょうと提案されることがありますが、脳の検査で首?と思う方もいると思います。診察時に医師から説明がありますが、しっかりと目的を理解して検査に臨む方は少ない印象です。たしかに頭の相談にきて首の検査といわれてもピンとこないですよね。そこで、なぜ脳神経外科・内科で首のエコー検査をするのか、首のエコー検査とはどんな検査なのかお話していきたいと思います。
なぜ首のエコー検査をするのか?
ここでいう首のエコー検査とは首にある血管、頸動脈のエコー検査です。
頸動脈は心臓から脳へ血液を送る大切な血管です。年齢とともに動脈硬化は起こりますが、偏った食生活や運動不足などの生活習慣の乱れも動脈硬化の原因となります。この大切な血管が動脈硬化で狭くなってしまうと脳梗塞の原因になることがあります。そこで、首のMRA検査の結果や採血結果から動脈硬化を疑う場合に頸動脈エコー検査が提案されます。
血管は全身に広がっており、頸動脈に動脈硬化がある場合、動脈硬化は全身の血管に広がっている可能性があります。頸動脈は体の動脈の中でも観察しやすい部位にあり、全身の動脈硬化の進み具合を推測することにも役立ちます。
頸動脈エコー検査とはどんな検査?
頸動脈は首の前側に左右1本ずつあり、ちょうど首~顎付近で2本に枝分かれします。
この枝分かれする部位が動脈硬化の好発部位と言われています。
ベッドに仰向けに寝た状態で首を伸ばします。ゼリーをつけてプローブを呼ばれる機械をあてていきます。左右の血管を観察し、血管の太さや血液の流れる速さ、動脈硬化の進行によりできるプラーク(コレステロールなどの塊)のサイズや性状、血管の狭窄率を計測します。検査時間は20分~30分程度で、報告書作成後、当日結果を聞くことができます。
動脈硬化は年齢とともに徐々にみられるようになります。しかし、偏った食生活や運動不足、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙など長年の生活習慣により若いうちから進行してしまうこともあります。
症状がなくても進行していくため、定期的な検査をおすすめします 🙂