頭痛の原因

頭痛の原因は様々です。
90％以上は脳に原因がない頭痛(片頭痛など)ですが、怖いのは脳が原因の頭痛です。
今回は、くも膜下出血について説明します。

globeのKEIKOさんや星野源さんがくも膜下出血を発症したことを知っている方は多いと思います。KEIKOさんが長いリハビリを経て活動を再開したとニュースになりましたね。また、先日はアナウンサーの岡副麻紀さんのお母様がくも膜下出血で亡くなったとニュースになりました。
みなさん、若くして発症しています。くも膜下出血は高齢者だけの病気ではないのです。

 

 

脳は外側から、硬膜・くも膜・軟膜に覆われています。脳の血管はくも膜の下を走っています。くも膜下出血は、その名の通り、くも膜の下に起こる出血です。くも膜下出血のほとんどが、脳血管の分岐部にできた動脈瘤の破裂により起こります。くも膜下出血を発症すると、1/3の方が亡くなり、1/3の方が後遺症を残し、元の生活に戻れる方は1/3程度と言われています。医学が進歩した現代でも非常に怖い病気なのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　

くも膜下出血

くも膜下出血の典型的な症状は、突然の激しい頭痛と嘔吐です。

症状は出血量と相関しており、出血量が少ないと軽い頭痛だけのことがあり(私の経験でも、軽い頭痛で歩いて受診された方で、くも膜下出血であったことが数回ですがあります)、出血量が多いと突然昏睡となります。

一度破裂した動脈瘤は、血糊で止血されているだけなので再出血しやすい状態にあり、再度出血すると死亡率が高くなってしまいます。

そのため、脳神経外科医による早急な処置が必要となります。

軽い頭痛でも、軽く考えず、まずは脳神経外科を受診してください。

また、くも膜下出血の原因となる動脈瘤は破裂前に見つかれば、手術により出血を予防することができます(必ず手術が必要なわけではありません)。

発症に年齢は関係ありません。

40歳をすぎたら一度脳の検査をすることをお勧めします。  

　　　                正常頭部CT                                     くも膜下出血

　　　　　　　脳動脈瘤