物忘れと認知症の違いとは?原因・チェック方法を専門医が解説
- 2026年5月25日
- 認知症
「物忘れ」と「認知症」は別物?決定的な違いを解説
加齢による物忘れと認知症の物忘れには、大きな違いがあります。その違いは「体験の一部を忘れるか」「体験そのものを忘れるか」という点にあります。
たとえば、食べた内容は思い出せないけれど、食べたこと自体は覚えている、という状態は加齢による自然な変化の範囲内であることが多いです。一方、食べたこと自体がまるごと記憶に残っていない場合は、一度専門医に相談することをお勧めします。
加齢による物忘れの傾向
- ・ヒントがあれば思い出せることが多い
- ・自分の物忘れに気づいている
- ・日常生活への支障はない
認知症で見られる物忘れの傾向
- ・ヒントを出しても思い出せないことが多い
- ・物忘れを自覚していない場合がある
- ・日常生活・社会生活に支障が出てくる
正常と認知症の中間にあたる「軽度認知障害(MCI)」という段階もあります。気になる変化があれば、早めに受診されることが大切です。
物忘れがひどい・激しいと感じたら疑うべき原因
物忘れの原因は、加齢だけではありません。以下のような状態でも、記憶力や集中力の低下が起こることがあります。
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原因 |
主な状態 |
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睡眠不足・疲労 |
睡眠中に記憶が整理されるため、不足すると物忘れが増えます |
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ストレス・抑うつ |
精神的な負担が集中力・記憶力を下げることがあります |
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甲状腺機能低下症 |
ホルモン不足により、記憶力・判断力が落ちることがあります |
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薬の影響 |
睡眠薬・抗不安薬などが認知機能に影響する場合があります |
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脳の疾患 |
脳梗塞・正常圧水頭症(脳に水がたまる病気)なども原因になります |
物忘れの原因は一つではないため、「認知症かどうか」を自己判断することは難しいです。気になる症状がある場合は、まず専門医に相談されることをお勧めします。原因によっては、適切な治療で改善が期待できるケースもあります。
認知症の種類と中核症状|アルツハイマー型・レビー小体型など

認知症はひとつの病気ではなく、原因によっていくつかの種類に分けられます。代表的な4種類を確認しておきましょう。
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種類 |
割合 |
最も特徴的な症状 |
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アルツハイマー型 |
約60〜70% |
直近の出来事を忘れる。徐々に進行する |
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血管性認知症 |
約20% |
脳梗塞・脳出血が原因。段階的に悪化する |
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レビー小体型 |
約5〜20% |
幻視(いない人や動物が見える)・手足の震え |
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前頭側頭型 |
少数 |
物忘れより性格の変化・異常行動が目立つ |
種類によって症状や進行の仕方が大きく異なります。「物忘れがない=認知症ではない」とは言い切れないため、気になる変化があれば受診されることをお勧めします。
認知症テスト・セルフチェックでわかること・わからないこと
「セルフチェックで認知症かどうかわかる?」と思われる方も多いかもしれません。セルフチェックは受診のきっかけとして役立ちますが、できることとできないことがあります。
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わかること |
わからないこと |
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受診が必要かどうかの目安 |
認知症かどうかの確定診断 |
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日常生活への支障の有無 |
どの種類の認知症かの判別 |
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気になる症状の整理 |
うつ病・甲状腺疾患など似た病気との区別 |
受診を検討したい症状の目安
- ・同じことを繰り返し言ったり聞いたりする
- ・薬や金銭の管理が難しくなってきた
- ・時間・場所の感覚が不確かになってきた
- ・以前あった興味・関心が失われた
- ・幻覚が見える
セルフチェックはあくまでも「目安」です。気になる項目があれば、自己判断せず専門医を受診されることをお勧めします。
物忘れ外来ではどんな検査をする?受診の流れと対策
もの忘れ外来では、複数の検査を組み合わせて診断を行います。流れを事前に知っておくと、受診のハードルが下がります。
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検査の種類 |
内容 |
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問診・診察 |
症状の経過や日常生活への影響をうかがいます。ご家族に同席いただけます |
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認知機能検査 |
記憶・計算・言葉の理解などを調べる検査です |
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MRI・CT検査 |
脳の萎縮や脳梗塞の有無を画像で確認します。 |
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血液検査 |
甲状腺機能の異常など、認知機能低下の原因となる全身疾患を確認します |
受診前に準備しておくと役立つこと
- ・いつ頃から症状が気になり始めたか
- ・どのような場面で物忘れが起きるか
- ・日常生活で困っていること
- ・内服中の薬の一覧
「受診するほどのことでもないかもしれない」と迷われている方もいるかもしれません。気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q.受診するとき、家族も一緒に来たほうがいいですか?
A.できればご家族の同席をお勧めしますが、お一人での受診も可能です。その場合は、気になる症状や日常生活で困っていることをメモしてお持ちいただくと、診察がスムーズに進みます。
Q.若い人でも認知症になることはありますか?
A.65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼びます。働き盛りの世代にも起こりうる病気です。「まだ若いから大丈夫」と思わず、気になる症状があれば年齢に関わらず受診されることをお勧めします。
Q.認知症は予防できますか?
A.認知症を完全に予防する方法は、現時点では確立されていません。ただし、生活習慣の改善がリスクを下げる可能性があることが知られています。具体的には以下のような取り組みが挙げられます。
- ・高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を適切に管理する
- ・定期的な運動を習慣にする
- ・社会的なつながりを保つ
- ・十分な睡眠をとる
「予防のために何かできることはないか」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
