30代で「もの忘れ」がひどい…大丈夫?受診の目安も

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院長コラム・院外活動

30代で「もの忘れ」がひどい…大丈夫?受診の目安も

30代で「もの忘れ」がひどい…大丈夫?受診の目安も

30代のもの忘れ、多くは異常ではない。でも見逃してはいけないものもある

30代でもの忘れを感じる方は多くいらっしゃいます。仕事の責任が増え、育児や家事も重なる年代です。覚えることが増えれば、記憶が追いつかなくなるのは自然なことといえます。

数字で見ても、過度に心配する必要はありません。

項目

数値

若年性認知症の有病率

10万人あたり50.9人

全国の推計人数

約3.57万人

症状に気づいた平均年齢

54.4歳

50歳未満での発症

全体の約3割

30代での発症は、確率としてはかなり低いことがわかります。

ただし、認知症以外にも、もの忘れを起こす病気はあります。

治療で改善が期待できる病気

  • ・甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが不足する病気)
  • ・ビタミンB12欠乏症
  • ・慢性硬膜下血腫(脳の表面に血が溜まる状態)
  • ・うつ状態などの心の不調

不安を抱えたままにしないことが大切です

「病気かもしれない」という心配そのものがストレスとなり、もの忘れを悪化させることがあります。検査で異常がないと分かるだけで、症状が軽くなる方もいらっしゃいます。

病的なもの忘れ?誰にでもある物忘れ?

もの忘れには、心配のいらないものと、病気が隠れているものがあります。見分ける手がかりは「思い出せない」のか「覚えていない」のかという点です。

比べる点

心配の少ないもの忘れ

注意が必要なもの忘れ

忘れ方

体験の一部を忘れる

体験そのものを忘れる

昼食のメニューを思い出せない

昼食をとったこと自体を忘れる

ヒント

言われれば思い出せる

言われても思い出せない

自覚

忘れたことを自覚している

自覚が乏しい

生活への影響

支障はない

仕事や家事に支障が出る

こんな症状が重なるときは注意してください

  • ・日付や場所がわからなくなる
  • ・物事を順序立てて進められない
  • ・言葉が出にくくなる
  • ・同じことを何度も尋ねる

多くは心配のいらないもの忘れ

30代でのもの忘れは、名前が出てこない、置き場所を忘れるといった内容がほとんどです。この場合は、記憶を思い出す働きが一時的に鈍っているだけと考えられます。判断に迷うときは、ご自身だけで抱え込まず、ご相談ください。

30代のもの忘れの主な原因

30代のもの忘れには、いくつかの背景が考えられます。多くは脳の病気ではなく、生活や体の状態が関係しています。

原因の種類

具体的な内容

生活習慣

睡眠不足、過度の飲酒、運動不足、栄養の偏り

脳の使い方

同時に複数の作業を進める、スマートフォンの長時間使用

体の病気

甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、貧血

脳の病気

慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、てんかん、脳腫瘍

心の不調

うつ状態、強い不安

特に多いのは睡眠の問題

何度も目が覚める

記憶は眠っている間に整理され、定着します。睡眠が不足すると、この働きがうまくいかなくなります。慢性的な睡眠不足は、眠気や意欲の低下だけでなく、記憶力の減退を引き起こすことが知られています。

30代は仕事や育児で睡眠時間が削られやすい年代です。もの忘れが増えた時期と、睡眠が乱れた時期が重なっていないかを確認しましょう。

生活習慣が原因であれば、整えることで改善が期待できます。一方、体や脳の病気が隠れている場合は、検査で確かめる必要があります。

もの忘れは心の不調のサインであることがある

30代のもの忘れで、特に注意して診ているのが心の不調です。うつ状態になると、集中力や判断力、記憶力が低下し、認知症とよく似た状態になることがあります。これは「仮性認知症」と呼ばれ、認知症とは区別して考える必要があります。

比べる点

仮性認知症(うつ状態)

認知症

始まり方

比較的急に始まる

月から年の単位でゆっくり進む

本人の自覚

強く気にして訴える

自覚が乏しい

質問への反応

答えようとしない

取り繕って答えようとする

伴う症状

気分の落ち込み、不眠、自責感

見当識(日時や季節などがわからない)の障害など

こんなサインがあれば心の不調を疑います

  • ・気分の落ち込みや興味の低下が2週間以上続く
  • ・寝つけない、朝早く目が覚める
  • ・食欲が落ちた、または増えた
  • ・以前は苦にならなかった作業が億劫に感じる

治療で回復が期待できます

仮性認知症はうつ状態が原因のため、その治療によって記憶力の改善が期待できます。「気の持ちよう」で片づけず、一度ご相談ください。

自分でできる改善法

日常の工夫だけで、もの忘れが軽くなる方は多くいらっしゃいます。まずは次の点から見直してみてください。

見直す点

具体的な方法

睡眠

就寝と起床の時間を一定にする

記憶の負担

予定や持ち物はメモやスマートフォンに任せる

作業のしかた

同時進行を避け、ひとつずつ片づける

運動

週に数回、軽く汗ばむ程度の運動を取り入れる

食事

魚、野菜、大豆製品などをバランスよくとる

飲酒

適量にとどめ、休肝日をつくる

持病

高血圧、糖尿病、脂質異常症は放置せず治療する

運動の推奨

世界保健機関のガイドラインでは、認知機能の低下を防ぐ方法として、運動が最も強く推奨されています。禁煙、高血圧や糖尿病の管理も同様です。30代から始める意味は十分にあります。

変化がないときは相談を

生活習慣が原因であれば、多くは数週間から数か月で改善を感じられます。工夫しても変わらない場合は、別の要因が隠れている可能性があります。

病院に行く目安|何科を受診する?

次のような場合は、一度受診をご検討ください。

受診をおすすめする状況

  • ・体験そのものを忘れることが増えてきた
  • ・同じ質問を繰り返すと周囲から指摘された
  • ・仕事のミスが明らかに増え、業務に支障が出ている
  • ・道に迷う、日付や曜日がわからなくなる
  • ・言葉が出にくい、手足のしびれや動かしにくさを伴う
  • ・頭を打った後から症状が出始めた
  • ・気分の落ち込みや不眠が2週間以上続いている

何科を受診すればよいですか

状況

受診先

もの忘れが気になる

脳神経外科、脳神経内科、もの忘れ外来

頭部外傷の後の症状

脳神経外科

気分の落ち込みが中心

精神科、心療内科

まずは脳神経外科や脳神経内科で、脳の画像検査と血液検査を行い、原因となる病気の有無を調べます。心の不調が主な原因と考えられる場合は、適切な診療科をご紹介します。

早めの受診を

原因がわかれば対処ができますし、異常がなければ安心して日常に戻れます。どちらの結果でも、受診をする意味があります。

鎌倉脳神経MRIクリニックについて

30代のもの忘れでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

クリニックの特徴

  • ・脳神経専門のクリニック
  • ・MRI・CT検査を当日実施
  • ・検査当日に結果をご説明
  • ・頭痛・めまい・しびれ・もの忘れに対応

「結果が出るまで不安」という方にも、安心してご受診いただけます。

こんな方にお勧めです

  • ・もの忘れが増えて不安を感じている
  • ・仕事のミスが目立つようになってきた
  • ・一度きちんと脳を調べてみたい
  • ・もの忘れの原因をはっきりさせたい

「年齢のせいだから」と放置せず、気になる症状がある方はご相談ください。

よくあるご質問

Q.受診にはどのくらい時間がかかりますか?

A.混雑状況にもよりますが、検査を含めて1時間から2時間程度をほどです。お時間に余裕をもってお越しいただくと安心です。

Q.家族に付き添ってもらったほうがよいですか?

A.一緒に来院いただけると助かります。ご本人が気づきにくい変化を、ご家族が把握されていることが少なくありません。難しい場合は、おひとりでの受診でも問題ありません。

Q.MRI検査を受けられない場合はありますか?

A.心臓ペースメーカーを使用されている方など、検査を受けられない場合があります。体内に金属が入っている方は、受付時にお知らせください。

Q.受診前に準備しておくとよいことはありますか?

A.いつ頃から症状が出たか、どのような場面で困ったかをメモしておくと診察がスムーズです。服用中のお薬がある方は、お薬手帳をお持ちください。

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